この冬は、というよりも、このブログ開設以来、かなりの頻度で雪の話を書いてまりました。気が滅入るほど雪がふってましたからねー。もちろん、雪国の方たちに比べればどうってことない回数なんでしょうけど、数日に1回のペースで、最低でも5~6cmの雪が降るなんてことは、人生で初めてだったわけでして・・・。
子供の頃は雪が降ると妙に楽しかったのになー。「常に童心を持ち続けよう」というモットーを持っているんですが、やはり嫌なものはモットーを違えてでも嫌なのだなぁ、と実感しました。
しかし一方で、日本語には雪を表現する言葉がどれだけあるのかという興味が出てきていたのです。1ヶ月ほど前に書いたかざばな以来、ちょいと気になっていたんです。
「逆引き広辞苑」で「雪」(ゆき)を対象にして調べてみました。実際の雪を表す言葉や季語と、雪に見立てた言葉あるいはたとえあるいは名称、そして時節を表す言葉で色分けしました。(あいうえお順)
注)だいぶ長いので、興味がない方はここでお逃げください。落ちはないです。
「赤雪」(あかゆき):赤い雪。寒帯や高山の積雪上に赤色の藻類繁殖するため、赤色を呈するもの。
紅雪(こうせつ)、雪の華、せきせつ。
「跡隠雪」(あとかくしゆき):旧暦11月23~24日の大師講に降る雪。
(大師講とは、天台大師という高僧の忌日。その法会のこと)
「泡雪」(あわゆき 沫雪):泡のように溶けやすい雪。
「淡雪」(あわゆき):やわらかで消えやすい雪。
「薄雪」(うすゆき):少しばかり降り積もった雪。
「大雪」(おおゆき):激しく大量に降る雪。(小雪の反対の語)
「笠の雪」(かさのゆき):笠の上に降り積もった雪。また、重い物のたとえ。
「帷子雪」(かたびらゆき):薄く降り積もった雪。
「小米雪」(こごめゆき):細かい雪。
「越の雪」(こしのゆき):和三盆とみじん粉とを合わせて押し固めて作った干菓子。
新潟県長岡名産。
「梢の雪」(こずえのゆき):梢の花を降り積もる雪に見立てていう言葉。
「粉雪」(こなゆき):粉のようにさらさらとした細かい雪
「小雪」(こゆき):少しの雪。 (大雪の反対の語)
「笹の雪」(ささのゆき):①豆腐料理の一種。温めた絹ごし豆腐に葛餡をかけたもの。
②武士が刀に付した名。笹に積もった雪がすぐ落ちるように
首や胴がすぐに落ちることを表した言葉
③紋所の名。
「細雪」(ささめゆき):こまかに降る雪。また、まばらに降る雪。
「里雪」(さとゆき):平地に降り積もる雪。(山雪の反対の語)
「粗目雪」(ざらめゆき):春、日中とけた積雪が日没後再び凍結し、それを繰り返してできる、
ざらめ糖状の雪質。
「垂り雪」(しずりゆき):木の枝などから落ちる雪。
「白雪」(しらゆき):雪の美称。
「人工雪」(じんこうゆき):実験室内で人工的に作った雪の結晶。
「墨と雪」(すみとゆき):性質がまったく反対なもののたとえ。「雪と墨」ともいう。
「空に知られぬ雪」(そらにしられぬゆき):散る桜の形容。
「たびら雪」(たびらゆき):春近くに降るうすくて大片の雪。だんびら雪。だびらゆき とも読む
「どか雪」(どかゆき):一時に多量に降り積もる雪
「年の雪」(としのゆき):年ごとに増える白髪を雪に見立てて言う言葉
「友待つ雪」(ともまつゆき):次の雪の降るまで消えずに残っている雪
「名残の雪」(なごりのゆき):春になってから冬のなごりに降る雪。涅槃雪(ねはんゆき)。
雪のはて。忘れ雪。春の季語
「傾れ雪・雪崩雪」(なだれゆき):なだれて落ちる雪。春の季語
「俄雪」(にわかゆき):にわかに降って来る雪
「濡れ雪」:水分の多い雪
「根雪」:雪どけの時期までとけずに残る雪。冬の季語
「斑雪」(はだれゆき):はらはらとまばらに降る雪。また、うっすらと降り積もった雪。
まだらになった残雪。はだらゆき、はつれゆき、まだらゆき。春の季語。
「八朔の雪」(はっさくのゆき):八朔の日に吉原の遊女が全員白無垢を着る風習があったが、
そのさまをいう語(八朔:旧暦8月朔日[ついたち]のこと。秋の季語)
「初雪」(はつゆき):①その冬初めて降る雪。冬の季語。
②新年に初めて降る雪。
③襲(かさね)の色目。表裏ともに白。
④紋所の名。円の中心からしゃもじ状の形を6個放射状に出したもの。
「花の雪」(はなのゆき):①白く咲いた花を雪に見立てていう語。
②香のひとつ。質は伽羅(きやら)
「花弁雪」(はなびらゆき):花びらの形をした大片の雪
「春の雪」(はるのゆき):春になって降る雪。大きな雪片の牡丹(ぼたん)雪になることが多く、
淡く消えやすい。春雪(しゅんせつ)。春の季語
「衾雪」(ふすまゆき):衾のように多く積もった雪。
「べた雪」(べたゆき):水気の多い雪。
「ぼた雪」(ぼたゆき):湿気のある大粒の雪。ぼたん雪
「牡丹雪」(ぼたんゆき):大きな雪片がぼたんの花びらのように降る雪。ぼたゆき
「松の雪」(まつのゆき):松の枝・葉に降り積もった雪。
「窓の雪」(まどのゆき):苦学の例え。学問。
「万年雪」(まんねんゆき):山地で雪線以上の所に年々降り積もる雪が、その重みによる圧縮や
そのほかの原因により、性質が変化して次第に粒上の構造の氷塊に
なったもの。
「深雪」(みゆき):①雪の美称
②深く積もった雪。冬の季語
「餅雪」(もちゆき):餅に似た白くふんわりした雪。綿雪
「雪」(ゆき):①水蒸気が空中で昇華し結晶となって降る白いもの。
主な外形は六花、角板、角柱、針。
古来、花や月とともに代表的景物とされる。冬の季語。
②白い色、また、白い物のたとえ。白髪、大根など
③かきごおりのこと
④鱈(たら)の異称
「横雪」(よこゆき):風で横ざまに降る雪。
「忘れ雪」(わすれゆき):その冬の最後に降る雪。雪の果て。春の季語
「綿帽子雪」(わたぼうしゆき):大片の雪。ぼたゆき。
「綿雪」(綿雪):綿をちぎったような、雪片の大きな雪。春の季語
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました!いや~疲れた・・・(笑)
当然のような言葉はもちろん、実に情緒あふれる言葉も見つかりました。俳句・川柳・短歌に昔から慣れ親しんできた日本人ならでは、だと思います。個人的には泡雪や牡丹雪、花の雪が好きかなー。赤雪はびっくり!そんな雪があるんだぁ~って感じで。18へぇでした!
雪(せつ)のほうにもいっぱいあったんですが、多すぎて調べ切れませんでした。
雪にまつわる言葉、他に知っている方がいましたら、是非教えてください!!コメントでも、メールでも!
すごーい。でもどれもロマンチックですね。私のお気に入りは「忘れ雪」。しかも春の季語なんて、なんかせつない・・・春はウキウキするはずだけど、雪が消えてなくなっちゃうなんてせつない・・・(笑)今週末は春スノボです!Bさんと♡ どか雪っていうのもちゃんと辞書に載ってるんですね。造語かと思いきや・・・ベチャ雪っとかシャーベット雪っとかはさすがにないか(笑)よく言う「パウダースノー」は、粉雪ですねー。でもカタカナにするのと日本語でいうのは情緒が違いますね、ハイ。
ご苦労さまです^^すっごい種類あるんですね~私の住んでるところも、たまには雪積もってほしいです。この冬も1度(薄っすらと)積もっただけでした。。いつも、ぼたん雪でシャーベット状・・さらさらな雪って憧れです^^;
НΙЯΘΚΘ さん>日本人が、いかに四季を大切にしてきたか、ていうのが垣間見えた気がしていますよ。雪って言葉を冬だけでなく、春の季語にも使うあたりは、寒い冬の象徴すら惜んできた日本人らしい表現だな、って思いました。Bさんとの春スノボ、楽しんできてください!「餅雪」なゲレンデでありますように(笑)
くまぷ さん>「せつ」も含めたらすごかったですよー。電池切れが近かったんで、途中で調べるのを止めてしまいましたけど^^くまぷさんのあたりだと、雪はなかなか降らなそうですよね。「憧れ」のままのほうがいいかも(;^^A毎日見てると、うーむー、ってなります。日本だと、サラサラ雪は北海道ですかねぇ。あ、ボストンも「さらさら」ですよん。
くまきちさんいつもコメントありがとうございます。雪国なので、今日のブログ興味深かったです。涅槃の雪なんてすごいなあ・・と思いつつ、日本語ってやっぱり情緒があっていいですね~
RayandTitus’s さん>どういたしまして~。いろんなこと共感できるので、また遊びに行きます!こちらこそ、書き込みをいただいてありがとうございます~m(_ _)m昨日は電子辞書片手に驚きの連続でしたよ。いつ書き終われるんだろうか?って言う不安も襲ってきてました(笑)ちょいと「逆引き」にはまったんで、次のねたをお楽しみに!